光通信を行うために使われるネットワーク装置には光トランシーバという部品が組み込まれています。この部品は送信・受信モジュールを一体化したもので、電気信号と光信号を相互に変換できます。以前のネットワーク装置は送信・受信モジュールを別個に組み込むのが主流でした。これらの部品を別個に組み込むと装置が大型化して製造コストがかかってしまいます。
インターネットが広く普及して多くの消費者がより安くて高性能なネットワーク装置を求めるようになったため、光トランシーバが開発されました。現在のネットワーク装置は光トランシーバを採用するのが一般的となっています。モジュールとは単体でも特定の機能を発揮する複数の部品のまとまりです。製品全体を個別の部品で構成するのではなく、複数のモジュールで構成すると産性が向上します。
モジュールごとに独立して設計や製造、組立や改良などが可能です。異なるモジュールに入れ替えることもできるので、一部分を変更するために全体の再設計や買い替えを行う必要性が減ります。光トランシーバに使われる送信モジュールはCAN型と同軸型、TOSA型とバタフライ型に分類されます。これらのうち最もコストパフォーマンスが優れているのがTOSA型で、ROSAと一体的に使用します。
TOSAとROSAの正式名称は、それぞれTransmitterOpticalSubAssemblyとReceiverOpticalSubAssemblyです。いずれもある程度の部品が組み立てられた状態なので、部分組立品を意味するSubAssemblyと呼ばれています。TOSAやROSAを光トランシーバに組み込むと、コスト削減を図りつつ性能を向上させることができます。