カスタムソケットは文字通りカスタマイズされたソケット、つまり何かを取りつける器具を指します。何かというのは対象によりますが、一般的には精密機器におけるデバイス、具体的には集積回路のICなどがあてはまります。ICといえば基板上にあるチップが知られていますが、基本的にははんだで固定されているので取り外しが不可能です。製品の研究開発や問題の特定などにおいては、何かと着脱する必要が出てくるので、はんだによる固定は不便で不向きです。
カスタムソケットはまさに、着脱を可能とする取りつけ器具として活躍するもので、しかもオーダーメイドで製作が行われることから、市販の汎用品に要件を満たすものが見つからない場合などに役立ちます。カスタムソケットは発熱をしたり、高周波のノイズ、振動などの影響を受けやすいチップを取りつける用途にも使用します。熱はデバイスの信頼性を損ねますし、ノイズや振動は誤作動の原因になることから、どちらも固定の際に気を使う部分です。カスタムソケットは、要件に合わせて放熱性や耐ノイズ性などを設計に盛り込めるので、シビアな条件で動作するデバイスを扱うのに便利です。
ちなみに、カスタムソケットはフルオーダーとセミオーダーがあって、要件が厳しかったり細かく指定が行われる場合は前者が選ばれます。一方、既存のソケットに手を加えるだけで済むケースにおいては、コストや納期の観点からセミオーダーが選択されます。